専攻科

科目名

移動現象論

JABEE科目

科目CODE

1047


学年・学科等名

第2学年 応用化学

担当教員

高田知哉(8036)

単位数・

2単位・前期

総時間数

90時間(含自学自習)

教 科 書 名

拡散と移動現象(宝沢光紀 他 著、培風館)

補 助 教 材

プリント(講義資料、演習問題)

参 考 書

Transport Phenomena (R. B. Bird他 著、John Wiley & Sons, Inc.)

 

A 教育目標

物質、熱、運動量の移動を数学的抽象化により取り扱う移動現象論は、化学工学分野での研究開発において重要である。本講義では、移動現象論の基本概念を理解し、移動現象を見るセンスを養うとともに、いくつかの例を通じて実際の移動現象の解析方法を修得する。

 

B 概要

物質・熱・運動量移動にそれぞれ対応するFickの法則、Fourierの法則、Newtonの法則を導入した上で、種々の条件下での移動現象を理論的に解析する方法を理解する。さらに、移動現象の解析方法として重要である次元解析の考え方を学び、そこに現れる各物理量の組み合わせである無次元数の意味を理解する。

 

C 「環境・生産システム工学」教育プログラムによる学習・教育目標との対応

教育プログラム科目区分

学習・教育目標との対応(JABEE基準:d, e, h)

専門工学科目

専門応用系

D-1

(50%)

D-2

(50%)

 

 

 

D 学習上の留意点

流束、無次元数、次元解析など、すぐには直感的に把握しにくい概念が出てくるが、それぞれの量の物理的意味を見失わないように注意すること。実際の移動現象を数学的に抽象化して取り扱う考え方に慣れてほしい。

 

E 評価方法

試験成績得点(60%) 演習問題・課題解答(20%) ※受講態度(20%)

※受講態度:演習問題への取り組み状況、授業中の発言等の積極性および聴講態度

 ※前期末の評価で60点未満である者については、定期試験の分を再評価するための再試験を、前期末に一回行なう。(再試験を経た場合の評価点の上限は60点とする)

 

F 授業内容  講義:30時間,自学自習60時間  総時間数90時間

授業項目

時間

内     容

教育

プログラム

Fickの法則、1次元の拡散現象

2

物質移動のFickの法則を理解し、一次元の定常拡散・非定常拡散の概要がわかる。

D-1

D-2

異相界面を介する拡散

2

気液界面を介する拡散、膜を介する拡散を通じて、異相界面を介する拡散の概要がわかる。

D-1

D-2

化学反応を伴う拡散

2

化学反応を伴う拡散現象を理解し、反応速度と拡散の関係がわかる。

D-1

D-2

荷電粒子の拡散

2

荷電粒子の拡散現象を理解し、電気泳動による拡散および拡散電位について概要がわかる。

D-1

D-2

演習(物質移動)

2

 

 

Fourierの法則と熱伝導度

2

熱移動のFourierの法則を理解し、熱伝導度の定義を知る。物質のミクロな挙動と熱伝導度の関係がわかる。

D-1

D-2

Newtonの法則と粘度

2

粘性に関するNewtonの法則を理解し、静粘度および動粘度の定義を知る。物質のミクロな挙動と粘度の関係がわかる。

D-1

D-2

演習(熱移動、運動量移動)

2

熱移動および粘性に関する基本的な問題について理解し、正しい解を導くことができる。

D-1

D-2

流体の分類、層流と乱流

2

粘性による流体の分類、層流と乱流の違いおよびReynolds数の物理的意味がわかる。

D-1

D-2

管内の速度分布、圧力損失

2

円管内での流体の速度分布、圧力損失の取り扱いがわかる。

D-1

D-2

演習(流体)

2

流体の移動に関する基本的な問題について理解し、正しい解を導くことができる。

D-1

D-2

次元解析、無次元数

2

次元解析の考え方を理解し、実際の例について解析を行うことができる。実験的な立場からみた無次元数の意義がわかる。

D-1

D-2

物質移動と熱移動の相似性、対流の分類

2

熱移動の機構の分類を理解し、熱移動の基礎式を記述できる。物質移動と熱移動の相似性(アナロジー)を理解する。Nusselt数、Prandtl数、Grashof数、Rayleigh数の物理的意味がわかる。

D-1

D-2

次元解析による実験式の誘導

2

次元解析による実験式の誘導方法を、実際の例を通じて理解する。現象に影響する変数を予測し、適切な関係式を導くことができる。

D-1

D-2

演習(次元解析)

2

次元解析と無次元数の取り扱い関する基本的な問題について理解し、正しい解を導くことができる。

D-1

D-2

(前期末試験)

◆自学自習

・授業内容の復習、予習

・演習問題、課題

・定期試験準備

 

   60

授業内容の復習・予習、授業中に行なった演習問題の解法の見直し、課題として課された問題のレポート作成、定期試験準備のための時間を合わせて60時間を自学自習時間とする。

D-1

D-2

 

G 関連科目 化学工学、物理化学、応用物理


旭川高専2007