高等専門学校は,深く専門の学芸を教授し職業に必要な能力を育成することを目的とし,中学校卒業程度を入学資格とした5年制の高等教育機関です。旭川高専は,全国に64校設置された高専(国立55校,公立6校,私立3校)の国立第1期校として昭和37年に創設されました。それ以来多くの実践的な技術者を育成し,わが国産業界の広い分野の発展に貢献し,高い評価を受けてきました。
しかし,今日のような社会的・技術的に多様化・高度化の著しい時代にあっては,実践的な技術者の育成に加え,創造性豊かな研究開発型技術者の育成が求められるようになりました。このような要求に応えることを目的とし,従来の5年間の高専教育の上に修業年限2年の専攻科が,平成11年度に設置されました。
昭和37年 | 1月10日 | 旭川市に工業高等専門学校設置決定 |
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2月24日 ・25日 |
昭和37年度入学者選抜試験実施 | |
4月 1日 | 昭和37年3月29日法律第36号により国立学校設置法の一部を改正する法律が公布され,旭川工業高等専門学校が設置された 機械工学科2学級(入学定員80名),電気工学科1学級(入学定員40名) |
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4月23日 | 開校式並びに入学式挙行,仮校舎に春光町の旧第七師団兵舎(現北海道教育大学教養学部附属旭川中学校所在地)を使用 | |
昭和38年 | 3月31日 | 新校舎に移転 |
昭和40年 | 4月 1日 | 事務部課制施行される(庶務課,会計課) |
昭和41年 | 4月 1日 | 工業化学科1学級(入学定員40名)が設置された |
昭和42年 | 3月17日 | 第1回卒業証書授与式挙行 |
昭和43年 | 9月 3日 | 昭和天皇,香淳皇后両陛下本校を御視察 |
昭和45年 | 4月 1日 | 事務部に学生課が設置された |
昭和47年 | 10月 7日 | 創立10周年記念式典挙行 |
昭和57年 | 9月21日 | 創立20周年記念植樹 |
昭和62年 | 10月 6日 | 創立25周年記念式典挙行(噴水,デジタル温度計,木彫「芽」設置) |
昭和63年 | 4月 1日 | 機械工学科2学級を機械工学科1学級(入学定員40名)と制御情報工学科1学級(入学定員40名)に改組 |
平成10年 | 4月 1日 | 工業化学科を物質化学工学科に改組 |
平成11年 | 4月 1日 | 専攻科(生産システム工学専攻(入学定員12名),応用化学専攻(入学定員4名))が設置された |
4月12日 | 第1回専攻科入学式挙行 | |
平成13年 | 3月 9日 | 第1回専攻科修了証書授与式挙行 |
平成15年 | 4月 1日 | 電気工学科を電気情報工学科に名称変更 |
平成16年 | 4月 1日 | 国立学校設置法(昭和24年法律第150号)が廃止され,旭川工業高等専門学校は独立行政法人国立高等専門学校機構法(平成15年法律第113号)に基づき,独立行政法人国立高等専門学校機構旭川工業高等専門学校となった 機械工学科を機械システム工学科に名称変更 |
平成17年 | 5月12日 | 「環境・生産システム工学」教育プログラムがJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受ける |
平成18年 | 2月14日 | 地域共同テクノセンター設置 |
3月20日 | 平成17年度の独立行政法人大学評価・学位授与機構が実施した高等専門学校機関別認証評価において,高等専門学校評価基準を満たしていることが認定された | |
平成19年 | 4月 1日 | 混合学級開始 事務部の庶務課,会計課を統合し総務課を置く |
平成21年 | 4月 1日 | 技術室を改組し,技術創造部を置く |
平成23年 | 4月 1日 | 制御情報工学科をシステム制御情報工学科に名称変更 |
平成24年 | 10月 5日 | 創立50周年記念式典挙行 |
5年間の一貫教育によって,伸び伸びと学び,しかも密度の濃い専門教育を受けた高専卒業生は人物,専門知識・ものづくり技術のあらゆる面で企業から高い評価を受けています。企業からの求人倍率も高い水準を維持し,低成長の時代にもビクともしません。もちろん希望者の就職率はほぼ100%です。
意外に知られていないことは高専からの大学編入の門の広さです。本校卒業後,大学へ進学する学生は全体の約50%になります。北大をはじめ理工系の大学へ行くなら,旭川高専は大学への近道!名門校とさえなっています。
創造性豊かな研究開発型技術者を育成するため,準学士課程5年の上に修業年限2年の専攻科課程(生産システム工学専攻,応用化学専攻)があります。
準学士課程の教育と連携した教育体系により,継続的な専門知識・技術の習得ができます。
専攻科を修了した学生は,大学評価・学位授与機構の審査に合格すると,大学の工学部卒業者と同じ学士(工学)の学位を取得することができ,大学院修士課程の受験資格を得ることができます。
本校は学生定員 832人(本科:1学年160人×5年制=800人,専攻科:1学年16人×2年制=32人)という規模の,少人数を単位とした教育を行っています。
また高専は国立の学校であり,教室や実習工場,体育施設,福利厚生施設などの充実度,授業料や寮費の安さなどを考えると学生一人当たりのサービスは,高校はもちろんのこと,一般の私立大学などに比べてもはるかに高い水準にあります。
本校では,服装,髪形の自由など,学生の自主性と個性が尊重されています。「地球をいたわる」技術も,「他人に迷惑をかけない」という基本的態度から生まれる,このような考え方が生活指導の基本方針です。
全国高専ロボット・コンテストにおいて1993年と2003年に優勝,1998年に大賞を受賞,また,全国高専体育大会硬式野球において,2002年と2008年に優勝などの実績からもわかるように,本校では盛んに部活動が行われています。校内体育大会や高体連,道内4高専体育大会,全国高専体育大会への参加など,勉強以外にも能力や実力を発揮できる場がたくさんあります。
現在はコンピュータ時代と言われていますが,本校ではもちろん,情報処理センターなどの優れた施設を利用して,全学科とも基礎から応用までのコンピュータ教育に力を入れています。
本校では,主にアジア諸国からの留学生を受け入れており,これまでに,タイ,マレーシア,インドネシア,ラオス,ベトナム,スリランカなどからの留学生が学んでいます。
外国人留学生たちと日本人学生との日常的な交流は,異文化に対する相互理解を深め,本校学生の国際的視野を広げる上で大きな役割を果たしています。
男女平等社会を目指している現在,本校は女子の進学先としても人気があり,例年約100~120名程が在籍しています。キャンパスも明るく華やいだ雰囲気で,環境問題への関心の高まりとともに,今後女性技術者の活躍が期待されています。
担当部署:学生課