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平成31年度入学式を挙行しました。更新日:2019/04/18

 平成31年4月4日(木)に,本校第2体育館において平成31年度入学式を挙行しました。

 今年度は,本科入学生160名,留学生1名,専攻科入学生30名,計191名が入学しました。

 式では,高橋 薫校長の告辞,本科入学生代表 明石 平さん,専攻科入学生代表 菊川 さんの入学者宣誓が行われた後,学生会会長 平澤 大さんから在校生歓迎のことば,旭川高専後援会会長 佐々木 一様から祝辞が述べられました。

 多数の来賓,保護者の皆様にご臨席いただき,新入生の新たな門出を祝う晴れやかな式となりました。

 

入学者宣誓(本科).JPG 入学者宣誓(専攻科)-1.JPG
入学者宣誓(本科) 入学者宣誓(専攻科)
校長告辞1.JPG 歓迎のことば(学生会会長 平澤 晃大)-1.jpg
校長告辞 在校生歓迎のことば

 

 

 

校長告辞

 新入生の皆さん、旭川工業高等専門学校へのご入学おめでとうございます。本科第1学年新入学生160名、第3学年に編入学する留学生1名、専攻科第1学年新入学生30名、合計191名の新しい学生の皆さんに、学校を代表して心よりお祝いを申し上げます。また、本日ご列席の保護者、ご家族の皆様には、心よりお慶び申し上げますとともに、お子様を本校の教育に託してくださいましたことに対し、厚く御礼申し上げます。

 はじめに、高専について簡単に説明させていただきます。全国には、北海道から沖縄まで、全部で51の国立高専があります。旭川高専に代表される工業系の高専を中心に、商船学科やビジネス学科を備えた高専もいくつかあります。各高専とも、本科と呼ばれる15歳から始まる5年間の教育課程があり、その上に、2年間の課程から成る専攻科が設置されています。高専は伝統と歴史を持つ高等教育機関であり、ほとんどの高専は創立50年以上を経ており、旭川高専は高専第1期校として創立58年目を迎えました。

 高専本科では、まず低学年での理系・文系の基礎的授業科目からスタートし、高学年では専門分野の高度な授業科目へと進んでいきます。通常の高校から大学に至る教育環境では得られえない、高度で実践的な技術者を育成する五年間の一貫教育の実現です。このユニークな教育システムは国内のみならず海外でも高い評価を得ています。実際にモンゴルでは、すでに日本の高専をモデルとしたモンゴル高専が設立されており、タイでも今年の5月にタイ高専がスタートします。また、ベトナムでは高専との連携を図り、将来のベトナム高専に向けて、高専型の技術者教育を始めようとしています。

 さて、日本では政府が主導して、ソサエティ5・0という取組みを始めています。インターネットを中心としたサイバー空間を積極的に活用し、新しい価値やサービスを創出することで、人々に豊かさをもたらす人類史上5番目の社会としての「超スマート社会」を世界に先駆けて実現しようとするものです。原始的な狩猟社会、土地に落ち着いた農耕社会、機械を活用した工業社会、情報を中心とした情報社会に続く5番目の社会という位置づけです。このような新しい社会に科学的、技術的な側面から対処し、社会に貢献できる高度な技術を持った人材を育成することが、高専の教育であり使命です。まさに旭川高専は、優れた教育環境により、このような新しい社会に貢献できる人材を育む、日本有数の高専です。

 旭川高専は、機械システム工学科、電気情報工学科、システム制御情報工学科、物質化学工学科の四つの学科から成る高専です。皆さんには本校の優れた教育システムの下で、それぞれの学科での専門の知識を深めると共に、先に述べたソサエティ5・0のような社会の実現に向け、複数の分野に渡る多様で幅広い知識を同時に身につけてくださることを願います。それらのために、何よりも、自己、つまり自分自身をこの学校で磨く努力をしてください。ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、デザインコンペティション、英語プレゼンテーションコンテストなどの取組みもありますので、これらを学業と共にうまく活用してください。

 また、本校は、ヨーロッパの四つの大学、アジアの3つの大学と一つの高等学校、オセアニアの一つの大学と学術交流協定を結んでいます。これらの海外教育機関と交流することで、皆さんのグローバル性、国際性、英語力を養うことができます。学校は可能な限りこれらとの交流に援助を行いますので、与えられた機会をぜひ利用するようにしてください。

 さて、本科入学生にとって高専での学校生活は、今までの中学校生活とは違ったものになります。勉強も難しくなりますし、何よりも先生に一方的に教えられるだけでなく、自ら進んで学んでいく姿勢が求められます。安易な気持ちで学校生活を送ることは禁物であることを心に留めておいてください。進級ができなくなってしまうということもありますので、何よりも普段の勉学の姿勢を大事にしてください。

 しかし、そのような中でも、授業で分からないこと、あるいは自身が何をしていいか分からないことがあれば、先生方が相談にのってくれます。自分自身あるいは友達だけでなく、積極的に先生方に聞きに行ってください。きっと、皆さんのお役に立てるはずです。その他、部活、クラス、寮などの学校生活のことで悩みがあれば、何でも皆さんの相談に応じますので、遠慮なく教職員に相談してください。皆さんが困難を克服して成長することが、私たち教職員にとっては何よりの喜びであります。私たち教職員は皆さんの学びを全力で支えていきます。

 さて、第3学年に編入学する留学生の方、ようこそ旭川高専へ! 新しい地での出発です。母国と日本では文化も習慣も大きく違っているでしょう。しかしそれでも、人間そのものは一緒のはずです。本校の日本人学生および教職員とたくさんコミュニケーションをとり、早くお互いに理解しあえる仲になればと思います。勉強や生活のことなどで困ったことがあれば、遠慮なく周りの学生や教職員に相談してください。本校では高度な技術者を育てる教育環境を提供します。日本だけでなく、母国にとっても役立つ知識と技術を学べるはずです。旭川高専で学んだことを活かして、将来、母国に貢献できる立派な人材となるよう期待しています。もちろん、ここでの生活を十分にエンジョイしてください。

 専攻科入学生の皆さん、新たな高専生活の始まりです。高専本科で得た知識、技術や経験をいかんなく発揮してください。専攻科は、準学士ではなく学士を目指す研究・教育課程ですが、皆さんには、大学レベルではなく、むしろ大学院の修士レベルの科学技術力を獲得できるよう高い望みを持って勉学に励んでもらいたいと思います。

 研究室の先生の指導の下、自身の研究テーマについて、コツコツと、しかしながら強い意欲を持ってまい進してください。そして、その成果を学内だけでなく、学外でも発表してください。大きい・小さい、地方・全国、国内・海外いずれにせよ、世間で発表することが重要です。たとえ研究成果が小さなものでも、他の大学生、大学院生と同じ土俵に立つことで、自身にとって大きな成長の糧となります。大きな成果を得た場合にはなおさらです。

 専攻科修了後は、就職する学生、大学院に進む学生の2つに分かれます。通常の大学卒の学生に比べ、知識も技術も優位に立っているはずですし、またそうなるよう勉強、研究に努めてください。2年間という短い期間です。入学時点で自分の将来を見つめ、計画的に過ごしてください。

 新入生全員に申しあげます。この旭川高専で得ることは非常に大きいと思います。社会構造・産業構造が変わろうとしているこの日本全体を、イノベイティブでグローバルな技術者として支え、また、超高齢化・少子化・人口減少という地域の課題を打破し、地域を元気にする起爆剤となるような学生になってくれるよう期待しています。

 最後といたしまして、新入生の皆さんがこの旭川高専での学生生活を、明るく楽しく、有意義に過ごしていかれること、そして、今日ここにいる皆さん全員が無事卒業、修了することを心より願いまして、告辞といたします。

 

 

平成31年4月4日    

旭川工業高等専門学校長 

高橋 薫 

 

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